山口県知事「センチュリー新たに購入しない」 貴賓車巡って初言及

2025/12/25 12:00 

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 山口県が貴賓車として2台所有するトヨタの最高級車「センチュリー」を巡り、村岡嗣政知事は24日、2026年11月に車検の有効期限が満了する1台について「新たにセンチュリーを買うことはしないと考えている」と述べた。知事が新規購入しない方針を示したのは初めて。

 この日の定例記者会見で述べた。この1台は、貴賓車として使用されない時に県議会副議長が公用で使用している。

 村岡知事は「裁判もあり、県民から多くの批判をいただいた。センチュリーを更新することに県民の理解は得られない」と述べた。今後の車両については「来年度予算編成の中でいろんな選択肢を考えなければならない」と明言を避けた。

 一方、実質的に県議会議長の公用車となっているもう1台については「更新時期が来ていないのでこのタイミングで考えることはない。今ある車両は有効活用する。貴賓車の位置づけや使い方は議論していく」と語った。

 センチュリー購入を巡っては裁量権を逸脱した違法な公金の支出にあたるとして、元県職員の男性が県に対し、村岡知事に全額を請求するよう求める住民訴訟を提訴。2022年11月の1審・山口地裁判決は「裁量権を逸脱した違法行為」として、全額を知事に請求するよう県に命じた。

 一方、23年5月の広島高裁控訴審判決は「裁量権を逸脱したものとは評価できない」として原告が敗訴。最高裁も原告の上告を棄却し、広島高裁判決が確定している。【小澤優奈】

毎日新聞

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