京都駅前の高さ規制、最大60メートルに引き上げ 有識者会議が提案

2025/12/25 11:45 

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 京都駅前の20年後の将来像を検討する京都市の有識者会議(座長=大庭哲治・京都大教授)は23日、駅周辺の建築物の高さ規制を現在の上限31メートルから最大60メートルに引き上げ、建て替えを促してオフィスや商業施設を集積する意見案をまとめた。かつて古都の景観論争を巻き起こした1997年開業の駅ビルは高さ約60メートルで、駅北側は同じ高さに誘導する。

 高さ規制を上限60メートルに緩和するとしたのは、駅北側の駅前広場に面したエリア。その他のエリアは東寺などからの眺望をシミュレーションした結果、「景観上の支障が生じる恐れがある」として上限45メートルが妥当とした。

 駅周辺はすでに市の求めで、国の「都市再生緊急整備地域」に指定。高さや容積率などが制限されない開発ができるようになり、京都中央郵便局と隣接する立体駐車場を、高さ約60メートルの複合施設に建て替える計画がある。松井孝治市長は駅周辺を「新たなビジネス・交流の創造拠点」にするとし、4月に今回の有識者会議を設けた。

 議論の前提には、オフィス不足と就業者の市外流出への危機感があり、会議では駅前広場の活用も検討された。しかし意見案では、ビルを建てずに「京都の玄関口」らしいゆとりの空間にし、幹線道路沿いに幅6メートル以上の歩行者空間を設けるとの提案も盛り込んだ。

 市は1月下旬に意見案を公開して市民の意見を募り、3月に会議の最終意見を得る予定。【南陽子】

毎日新聞

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