巨人、打者一巡の連打で1イニング6得点の逆転劇 CS死守へ

2025/09/09 21:44 

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 ◇◯巨人6―4広島●(9日・東京ドーム)

 こだまのようにバットの快音が響き渡り、呼応するように球場のボルテージも上がっていく。今季、得点力不足に悩んだ巨人だが、この日は息を吹き返したように一回の7連打を含む打者一巡6得点の猛攻で勝利を引き寄せた。

 1点を追う一回裏1死。2番・キャベッジの二塁打から、猛攻劇の幕が開ける。

 単打でつなぎ、6番の中山礼都の適時打で逆転した。ファンの熱気も最高潮に達しようかという、なお満塁の絶好機でとどめを刺したのが、7番のリチャードだ。

 フルカウントからの7球目。低めをすくい上げ、左中間に運ぶ完璧な満塁弾。歓喜の渦が包むダイヤモンドをゆっくりと一周し「手応えは覚えてない。みんながつないでくれて、気持ちで打った」と興奮冷めやらぬ様子だった。

 対戦した広島の床田は今季2戦2敗と苦手にしており、橋上秀樹・作戦戦略コーチは「強引にならずに浮いてきたところを捉えたい」とポイントを語っていた。逆方向中心の打撃が光り、リチャード自身も前回対戦時のノートを見返して傾向を探り「しっかり準備もできていた」と攻略の理由を語る。

 快勝で勝率を5割に戻しながらも、予断を許さないクライマックスシリーズ(CS)出場争いに臨む巨人。阿部慎之助監督は「目先の試合に勝つことを目標に、チャンスをしっかりつかみにいかないといけない」と表情を再び引き締めた。【牧野大輔】

毎日新聞

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