ウクライナ、越境攻撃の拠点失う ロシア軍がクルスク州の要衝奪還

2025/03/13 19:56 

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 ロシア国防省は13日、ウクライナ軍が越境攻撃を続ける露西部クルスク州で、要衝スジャを奪還したと発表した。スジャにはウクライナ軍の現地司令部が設置されていた。ウクライナ側は和平協議の交渉カードにすることも念頭にクルスク州の制圧地域を死守してきたが、劣勢となっている。今後、全軍撤退を迫られる可能性もある。

 プーチン露大統領は12日夜、迷彩服姿でクルスク州の露軍指揮所を訪問し、ゲラシモフ参謀総長から戦況報告を受けた。プーチン氏の同州入りは、ウクライナ側が越境攻撃を始めた昨年8月以降では初めて。

 露国防省によると、州内のウクライナ側制圧地域は最大時で1268平方キロだった。ゲラシモフ氏は、うち約86%を既に取り戻したと説明し、「敵の計画は完全に失敗した」と述べた。プーチン氏は可能な限り速やかに州内全域を奪還するよう指示した。

 露軍は今月から攻勢を強化していた。現地部隊は、天然ガスのパイプライン内を約15キロ移動してウクライナ軍の後方から奇襲をかけるなどし、スジャ近郊の防衛線を突破。周辺の集落も次々と制圧し、奪還地域を急速に拡大していた。【モスクワ山衛守剛】

毎日新聞

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