インドネシア大統領、中国軍事パレードに出席 抗議デモ沈静化で

2025/09/03 17:22 

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 インドネシアのプラボウォ大統領は3日、中国・北京であった「抗日戦争勝利80年」記念の軍事パレードに出席した。当初は国内で激化する政府への抗議デモを理由に訪中を断念したが、事態が沈静化しつつあるとして見直した。習近平国家主席との会談後、3日中に帰国する。

 プラボウォ氏には当初、中国と併せて日本も訪問する計画もあったが、日本外務省関係者によると今のところ連絡はないという。

 インドネシアでは8月末から、国会議員の高額手当に抗議するデモが首都ジャカルタから各地に拡大。地元メディアによると、これまでに少なくとも10人が死亡、500人以上が負傷した。

 死者には10代の学生も複数含まれている。さらに人権団体は2日時点で、20人の行方不明者が出ていると発表した。

 デモの最中に警察車両がバイクタクシーの運転手をひき逃げする映像が交流サイト(SNS)で拡散されたことが、デモの激化を招いた。プラボウォ氏は運転手に哀悼の意を示すとともに、1日には国会議員の一部手当の廃止を表明。軍による警備強化も受け、デモは縮小傾向にある。

 インドネシア政府は2日夜、「公共生活が徐々に正常に戻りつつあるとの報告を受けた」とし、プラボウォ氏の訪中を発表した。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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