台湾総統「歴史教訓に自由民主守る」名指し避け中国軍事パレード批判

2025/09/03 18:32 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 台湾の頼清徳総統は3日、「台湾は武器を手に平和を記念するのではなく、(戦争の)烈士をしのんで歴史の教訓を記憶し、自由民主の信念を守る」とフェイスブックに投稿した。名指しを避けながらも、抗日戦争勝利80周年を記念して大規模な軍事パレードを行った中国を批判した。

 頼氏は3日、戦没兵士らをまつる台北市内の「忠烈祠(ちゅうれつし)」を訪問して献花した。投稿ではファシズムには過激な民族主義や大国の復興という幻を追い求めることなどが含まれるとし、「平和を追求する世界の人々は、このような政治体制が再び生まれないよう願っている」と述べた。中国は抗日戦争を反ファシズム戦争の一環と位置づけている。

 一方、中国の軍事パレードには台湾最大野党・国民党の洪秀柱元主席(党首)が参列した。頼政権は統一工作に利用される恐れがあるとして、中国の戦勝行事に参加しないよう住民に求めている。

 洪氏は天安門の楼閣上に設けられた来賓席でパレードを観覧。2日の発表では、抗日戦争では国民党と共産党が協力して戦った歴史の真相を伝えるために参列すると主張していた。

 洪氏は国民党の中でも、特に親中的な言動で知られる。同党の馬英九政権時代に立法院副院長(国会副議長に相当)を務めた後、2016~17年に党主席に就いた。【台北・林哲平】

毎日新聞

国際

国際一覧>