トランプ氏、宇宙統合軍司令部を再びアラバマ州へ 激しい誘致合戦も

2025/09/03 18:37 

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 トランプ米大統領は2日、宇宙統合軍司令部を西部コロラド州から南部アラバマ州ハンツビルに移転すると発表した。第1次トランプ政権がアラバマ州を選んだ後にバイデン政権がコロラド州に変更したが、再び覆された。

 トランプ氏は「私たちは当初、ハンツビルを選んだがその後にバイデン前政権の妨害に遭った」と述べた。

 司令部設置を巡っては、地元の経済・雇用創出などの観点から、数年にわたって両州で激しい誘致合戦が繰り広げられてきた。

 トランプ氏は発表に際し、2024年大統領選で自身が大勝したアラバマ州が「大好きだ」と発言。選挙結果と今回の決定は無関係だとする一方、大統領選で民主党のハリス前副大統領が勝利したコロラド州では「郵便投票で選挙がゆがめられている」などと主張した。トランプ氏はこれまでも郵便投票制度を根拠なく「選挙不正の温床」と攻撃している。

 米CNNテレビによると、宇宙統合軍はトランプ氏が第1次政権時の18年、宇宙空間の競争で中国、ロシアに対抗するために創設を指示し、司令部は暫定的にコロラド州のピーターソン空軍基地に設置された。空軍は21年、アラバマ州に恒久的な司令部の新設を提言。しかし、23年にバイデン政権はアラバマ州への移転には時間がかかることから軍の即応態勢を損なうとし、コロラド州を恒久的な司令部と決定した。

 ハンツビルは1960年代に人類初の有人月面着陸を果たした「アポロ計画」の一翼を担ったこともあり、「ロケットシティー」の愛称で知られる。トランプ政権が推進する最先端のミサイル防衛構想「ゴールデンドーム(黄金の円天井)」の構築でも重要な拠点になるとみられている。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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