英副首相が辞任 住宅購入の税金過少払い スターマー政権に打撃

2025/09/06 06:14 

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 英国のレイナー副首相が5日、辞任した。住宅購入に伴う税金を過少に支払ったことを巡り、大臣規範に抵触すると結論づけられたため。不法移民の流入に歯止めをかけられず、支持率が低迷する労働党のスターマー政権にとって、さらなる打撃となった。

 辞任を受け、スターマー首相は内閣改造に踏み切った。副首相の後任にラミー外相を任命し、不法移民対策の責任者だったクーパー内相を新たな外相に充てた。

 レイナー氏の問題は、8月末に英紙デーリー・テレグラフが報じて発覚した。報道によると、5月に英南部ホブに別宅を購入した際、「印紙税」を「主たる住居」の購入時に必要な税率で支払ったため、本来必要な額より4万ポンド(約800万円)少なかった。

 レイナー氏は過少な支払いは意図的ではなかったと説明したが、批判が高まったことを受け、大臣規範に関する首相の独立顧問に自ら調査を依頼。顧問は5日、「レイナー氏が勧められた専門的助言を受けなかったことは大臣規範を満たしていない」などとする報告書をまとめた。

 レイナー氏は5日、X(ツイッター)に投稿したスターマー氏宛ての書簡で、「税の専門家に追加の助言を求めなかった判断を深く後悔している」と述べた。

 昨年7月のスターマー政権発足時に、44歳で副首相に任命されたレイナー氏。16歳で妊娠して学校を中退し、介護職の資格を取ってケアワーカーとして働くなど、政治家としては異色の経歴を持っていた。【バーミンガム福永方人】

毎日新聞

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