日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」開始 5回目で過去最大規模

2025/09/11 17:46 

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 島しょ防衛を想定した陸上自衛隊と米海兵隊の大規模な共同実動訓練「レゾリュート・ドラゴン(不屈の竜)」が11日、始まった。25日まで九州、沖縄を中心とした8道県で、日米の連携強化や共同対処能力の向上を目的に訓練する。2021年から毎年実施され、今回が5回目。日米合わせて約1万9000人が参加し、過去最大規模となる。

 この日は沖縄県うるま市の米軍キャンプ・コートニーで訓練開始式があった。在日米海兵隊を統括する第3海兵遠征軍の司令官、ロジャー・ターナー中将は訓示で「演習は単なる訓練ではなく、同盟の強さ、自由で開かれたインド太平洋地域への共通の責任、ともに脅威に立ち向かう姿勢を反映している」と強調。陸自西部方面総監の鳥海(とりうみ)誠司陸将は「日本国土のフロントラインに立つ我々は、今、事態が発生しても直ちに日米共同で対処できる態勢を確立することが重要だ」と力を込めた。

 訓練は北海道や山口県でも実施し、自衛隊は海自や空自も含め約1万4000人、米軍は陸海空軍も含め約5000人が参加する。

 政府関係者によると、日本最西端の沖縄県・与那国島(与那国町)では当初、米軍が高機動ロケット砲システム「ハイマース」やオスプレイを展開する構想があったが、取りやめて医療活動を想定した衛生訓練を実施する。8月の町長選で現職を破って就任した上地常夫・新町長が大規模な共同訓練に反対していることに配慮したとみられる。上地氏は取材に「訓練がかなり縮小され、町民が動揺することはなくなった」と話した。

 沖縄県・石垣島の陸自石垣駐屯地(石垣市)では、米海兵隊が地対艦ミサイルシステム「NMESIS(ネメシス)」や統合防空システム「MADIS(マディス)」などの最新兵器を日米共同訓練で初めて展開する。米軍岩国基地(山口県岩国市)では、長射程巡航ミサイル「トマホーク」の搭載が可能な米陸軍のミサイルシステム「タイフォン」を展開。陸自の輸送機V22オスプレイも佐賀駐屯地(佐賀市)への配備後、初めて参加する。

 訓練では米軍機が石垣空港(石垣市)を使用する予定で、沖縄県は防衛省を通じ、米軍による民間空港の使用を自粛するよう求めている。【比嘉洋】

毎日新聞

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