東京と神奈川で数年に1度の猛烈な雨 川氾濫 コンテナ倒れ1人死亡

2025/09/11 21:22 

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 東京都と神奈川県では11日午後、大気の状態が不安定になり、場所によっては1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降った。

 東京都品川区では午後3時半までの1時間に約120ミリの雨が降り、数年に1度程度しか発生しないような大雨を観測したことを示す「記録的短時間大雨情報」が出された。区内を流れる立会川が氾濫し、区は流域の2地区に「緊急安全確保」を発令した。

 東急電鉄によると、午後3時25分ごろ、東急目黒線西小山駅(品川区)で地下ホームの線路が冠水した。この影響で目黒―武蔵小杉間の上下線で運転を見合わせた。ポンプを使った線路の排水作業を終え、午後10時40分ごろに運転を再開した。

 午後3時40分ごろには、東京都大田区令和島1のコンテナターミナルで、「作業員がコンテナの下敷きになっている」と119番があった。コンテナの積み下ろしをする40代の男性作業員がコンテナの下敷きとなって死亡し、60代の男性作業員がけがをした。

 事故当時、現場付近は風雨が強かったといい、警視庁東京湾岸署は、大雨が影響した可能性もあるとみて事故原因を調べている。

 署によると、死亡した男性は重機に乗車中にコンテナが倒れ、巻き込まれたとみられるという。もう1人は命に別条はないという。

 さらに、神奈川と千葉を結ぶ東京湾アクアラインの海ほたるパーキングエリア(千葉県木更津市)付近の海上では午後4時前、汽船を運航していた70代の男性船長が行方不明になった。横浜海上保安部などは海に転落したとみて捜索している。汽船は雨の中で作業船をけん引していたという。

 また、気象庁は午後3時半ごろ、記録的短時間大雨情報を川崎市中原区でも発表し、1時間雨量が100ミリに達したとした。

 JR東日本によると、川崎市中原区のJR武蔵小杉駅では一部の改札が浸水して自動改札機が故障し、駅員が窓口で対応に追われた。JR南武線は武蔵溝ノ口―武蔵新城駅間の一部線路が冠水し、川崎―立川間の上下線で約2時間半運転を見合わせた。

 【田中綾乃、五十嵐隆浩、矢野大輝】

毎日新聞

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