中国空母「福建」の航行を自衛隊が初確認 領海侵入は確認されず

2025/09/11 22:49 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 防衛省は11日、中国海軍の新型国産空母「福建」が沖縄県・尖閣諸島沖の海域を航行したと発表した。自衛隊が「福建」の航行を確認し、発表するのは初めて。台湾海峡に向かった可能性もあるとみられる。

 防衛省によると、「福建」は11日午後1時ごろ、駆逐艦2隻とともに尖閣諸島から北西約200キロの海域を南西に向かって航行。海上自衛隊のP3C哨戒機が警戒監視、情報収集に当たった。日本の領海や接続水域への侵入、艦載機の発着は確認されていないという。

 「福建」は「遼寧」(2012年就役)と「山東」(19年就役)に次ぐ、中国海軍3隻目の空母。全長約320メートル、満載排水量は8万トン強で、60~70機の艦載機を搭載でき、短時間で効率的に射出できる「電磁カタパルト」を備える。

 22年6月に上海で進水し、24年に試験航行を開始しており、年内にも就役するとの観測があった。今回の航行をもって就役と判断できるかについて、防衛省統合幕僚監部は「回答する立場にはない」としている。

 「福建」が就役して中国海軍の空母が3隻態勢になれば、任務、訓練、整備のローテーションが可能になり、中国の軍事的プレゼンスが増すとされる。【宮城裕也、松浦吉剛】

毎日新聞

社会

社会一覧>