独裁政権崩壊後、シリアで初の国会議員選 民意反映に懸念

2025/10/05 17:09 

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 昨年12月にアサド政権が崩壊したシリアで5日、人民議会(国会)議員選が行われた。暫定政権の発足後、国政選挙が実施されるのは初めて。ただ、事前に選ばれた選挙人による互選のため、民意が反映されないとの指摘もある。

 選挙は9月中旬に予定されていたが、延期となっていた。

 AP通信などによると、選挙人は選挙管理委員会が選挙区ごとに計6000人選んでおり、立候補や投票はこの中で実施する。定数210議席のうち140議席が選挙で選ばれ、残る70議席はシャラア暫定大統領が任命する。

 立候補者は1500人あまりで、このうち14%が女性という。暫定政権の統治が及ばない北東部や武力衝突が起きた南部スワイダ県では投票が延期された。

 シリアでは内戦の影響で難民になった人も多く、投票者名簿の作成が困難なことから、選挙人で互選することに決まった。ただ、暫定政権の意向が強く反映されるとの懸念も出ている。

 アサド政権下でも選挙は行われていたが、独裁体制による不正が常態化していたとされる。暫定政権は今年1月、アサド政権下で組織されていた国会を解散していた。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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