「日中の緊張状況、沈静化が重要」 欧州委員会幹部が訴え

2025/12/03 17:54 

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 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会で経済安全保障問題などを担当するビルクネン上級副委員長は2日、ブリュッセルで毎日新聞などの日本メディアの取材に応じた。台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁を巡り日本と中国の関係が悪化していることについて「緊張状態を沈静化することが非常に重要だ」と訴えた。

 ビルクネン氏は、米国第一主義を掲げるトランプ米政権やレアアース(希土類)の輸出規制を武器に国際社会へ圧力をかける中国を念頭に「世界はとても不確実な状況になっている」と指摘した。「技術力を持つ国が世界を動かすようになっており、EUも技術的な競争力の向上を目指している」と述べた。

 重視する分野として、人工知能(AI)や半導体、量子技術、サイバーセキュリティーを列挙した。これらの先端技術について「特定の国や企業に依存することなく、独自の能力を持つ必要がある」と強調した。

 法の支配に基づく国際秩序や民主的な価値観を重視する日本を「重要なパートナー」と表現。サプライチェーン(供給網)の強化などで「志を同じくするパートナーと緊密に連携することで、互いの競争力を高め、イノベーション(技術革新)を促進することができる」と述べた。【ブリュッセル鈴木一生】

毎日新聞

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