高市氏、復興政策の手腕は未知数? 福島県内のトップは小泉氏

2025/10/05 10:17 

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 4日の自民党総裁選で、高市早苗・前経済安全保障担当相が新総裁に選出された。高市氏は昨年9月の前回総裁選の際、福島市での演説会で「(福島の復興は)時間がかかるが、やり遂げる」などと訴えたが、これまで県内の被災地や復興政策とは関わりが薄く、手腕は未知数だ。

 自民党福島県連は、新総裁選出後に記者会見を開いた。県内の党員・党友投票の結果は、トップが小泉進次郎農相の3403票で、高市氏は次点の2481票だったと発表した。決選投票では、都道府県票の1票は小泉氏に投じられた。投票率は69・41%で、2024年の前回選(67・17%)を上回った。

 全国的に党員・党友投票では高市氏が優勢だった中、県内では小泉氏がトップだったことについて、矢吹貢一・県連幹事長は、「(復興政務官や環境相を歴任した)小泉氏が東日本大震災以降、被災地に何度も足を運んで貢献してきた結果だろう」と分析した。県関係の国会議員では、根本拓・衆院議員(比例東北)が小泉氏の推薦人に名を連ねていた。

 高市氏については、2022年の県沖地震で国道399号の伊達橋が損壊した際、党政調会長として再建に向けて尽力したエピソードを明かし、「今の福島の現状を熟知されていると思うが、復興創生のあり方を再度強く要望し、しっかり形にしていく」と述べた。

 ◇期待と警戒 各党反応

 自民党と連立を組む公明党県本部の伊藤達也幹事長は「復興加速化とともに、唯一の被爆国として国際平和へリーダーシップを発揮してほしい。まずは、国民生活を守るため、他党とも丁寧に協議を進め、物価高対策を迅速に進めてほしい」とのコメントを出した。

 一方、立憲民主党県連の宮下雅志幹事長は「高市氏は総務相時代、放送法の『政治的公平』を巡って一つの番組のみでも不公平と判断しようとするなど、強引な手法で圧力をかける姿勢が目立った。それで野党と連携や協力ができるのだろうか」と疑問を呈し、「基本的人権や国民主権など我々の訴えは変わらない。対峙(たいじ)の仕方は想定しやすい」と述べた。

 共産党県委員会の町田和史委員長は「『くらしをなんとかしてほしい』という国民の声に背を向けるばかりか、排外主義による分断をあおる醜い権力争いだった」と批判。「広範な国民結集の旗を掲げて対決していく」とコメントした。【岩間理紀、錦織祐一】

 ◇県内の党員・党友開票結果

小泉進次郎 3403

高市早苗  2481

林芳正   1674

小林鷹之   264

茂木敏充   253

※敬称略。投票率69.41%、有効8075票、無効43票

毎日新聞

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