「首相の手当が上がると誤解される」 要綱書き換え巡り木原氏が説明
国会議員歳費を超える閣僚給与の支給を停止する国家公務員特別職の給与法改正案の要綱が、国会提出後に国会への説明がないまま、首相官邸側の指示で一部書き換えられていたことが分かった。内閣人事局の担当者が、衆院内閣委員会の与野党理事らに新たな要綱を配布した際、文言が修正されたことを伏せて「(前回は)古いバージョンを配ってしまった誤配」と事実と異なる説明をしたことに、野党が反発。この影響で、2025年度補正予算案を採決する11日夕の本会議の開始が約1時間遅れた。
11日の衆院議院運営委員会理事会に出席した木原稔官房長官が明らかにした。改正案は8日に閣議決定され、国会に提出された。条文で特別職の期末手当を引き上げる一方、付則では閣僚分の引き上げを停止する構成となっている。要綱のうち「内閣総理大臣等の期末手当について」という2カ所が、9日に改めて配布された要綱では「内閣総理大臣等の」が削除され、「期末手当について」と変更された。
議運委の吉川元野党筆頭理事(立憲民主党)によると、木原氏は「報道機関は要綱を斜め読みして報じる。『内閣総理大臣等』という言葉が残っていると、あたかも首相の期末手当が上がるかのごとく報じられることを懸念した」と説明した。書き換えは、閣議決定後に尾崎正直官房副長官が提案し、高市早苗首相や木原氏は「それはそうだ」と応じて修正を指示したという。
内閣人事局の担当者が、与野党に対して「誤配布」と説明したことについて、木原氏は「説明が不十分だった」と陳謝し、「事実と異なることを言った結果、混乱した。大変問題だ」との認識を示した。だが、虚偽説明の理由は明らかにしなかった。その後、尾崎氏が内閣委に出席し、首相も含む修正の決裁を11日に取り直したと説明した。【池田直、森口沙織】
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