補正予算案が衆院通過 国民、公明賛成 維新抜きでも衆参過半数

2025/12/11 19:49 

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 政府の経済対策の裏付けとなる2025年度補正予算案は11日、衆院本会議で与党と国民民主党、公明党などの賛成多数で可決し、参院に送付された。会期末の17日までに成立する見通し。高市早苗政権の発足後、予算案の衆院通過は初めてで、採決を通じて各党の立ち位置が鮮明になった。

 予算案は憲法の規定により、衆院を通過すれば参院送付後30日で自然成立する。参院で自民党(100人)と日本維新の会(19人)の与党は過半数(125人)に6人足りないが、国民民主(25人)と公明(21人)が衆院採決で賛成に回ったことで、参院でも会期内に可決、成立する環境が整った。

 衆院で無所属3議員を取り込み199人となった自民は、維新(34人)と合わせてかろうじて過半数(233人)を維持している状況だ。だが、今回のように国民民主(27人)と公明(24人)が協力すれば、数字上は維新抜きでも衆参ともに半数を超える。

 補正予算案は歳出が18兆3034億円。歳入の6割は借金に当たる国債を11兆6960億円追加発行して賄う。

 立憲民主党は「過度に大きな財政出動は更なるインフレを助長する。『責任ある積極財政』は無責任な放漫財政になりかねない」などとして反対。れいわ新選組、共産、参政の各党も反対した。

 国民民主は同党が求めたガソリン暫定税率の年内廃止の実現や、補正予算案に自動車損害賠償責任保険料の特別会計への繰り戻しが計上されたことなどを賛成の理由とした。公明は子ども1人当たり2万円の応援手当や、医療・介護分野の賃上げ支援が盛り込まれたことなどを評価した。

 ただ、公明は本会議に先立つ衆院予算委員会に、基金への積み立て削減などを含む補正予算案の組み替え動議を立憲と共同で提出し、否決された。連立離脱で予算案への対応が注目されていたが、与党にも野党にも協力する姿勢を示した。

 高市首相は予算委で「今回は野党の指摘もかなり取り入れたつもりだ」と強調。「強い経済を作ることは安心できる福祉、国民の生活の豊かさにつながる」と述べた。【安部志帆子、野間口陽、田中裕之】

毎日新聞

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