船爆撃巡り「麻薬組織と武力紛争に突入」 トランプ政権、議会に通知

2025/10/03 17:41 

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 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は2日、米軍が南米ベネズエラから出航した船に爆撃したことを巡り、トランプ政権が連邦議会に対し、「米国が麻薬密輸組織との武力紛争に突入した」と文書で通知したと報じた。政権は軍事攻撃が非国家組織との武力紛争の一環だと主張することで正当化する狙いがあるとみられる。

 米軍は9月、ベネズエラから米国に向かっていた船が「麻薬運搬船」だったとして公海上で攻撃。3回の爆撃で17人を殺害したとしている。麻薬運搬船への対応は沿岸警備隊による取り締まりが通常で、敵対行為に参加していない民間人に対する軍事攻撃は国際法違反との指摘がある。

 NYTによると、政権は文書で、麻薬の流入により毎年何万人もの米国民が死亡しており、麻薬の密輸は「米国への武力攻撃に相当する」と主張。密輸組織のメンバーは非合法戦闘員だと断じ、自衛権の行使として攻撃したと説明した。ホワイトハウス当局者は「致死性の高い毒を国内に流入させようとする勢力から祖国を守るため、大統領は武力紛争法に従って行動した」としている。

 一方、ベネズエラのマドゥロ政権は、米軍の攻撃が「軍事侵攻だ」と反発し、両国の緊張が高まっている。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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