ノーベル平和賞、事前に漏えいか 賭けサイトでマチャド氏受賞率急騰

2025/10/11 09:18 

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 ノルウェーなど欧州の複数のメディアは10日、ノーベル平和賞がベネズエラの野党指導者、マリア・コリナ・マチャド氏に授与されることが発表される約10時間前に賭けサイトでマチャド氏の受賞確率が急上昇しており、情報が事前に漏れた可能性があると報じた。ノーベル研究所は経緯を調査する方針だという。

 報道によると、米国の大手予測市場「ポリマーケット」で、ノルウェー時間10日午前0時過ぎに約4%だったマチャド氏の受賞確率が、同2時までに約73%に急騰した。受賞者が発表されたのは同11時だった。

 ポリマーケットは選挙やスポーツなどの話題について、仮想通貨(暗号資産)を使って賭けられる。多額の資金が投じられれば確率は上昇する。

 英紙フィナンシャル・タイムズによると、今回の急上昇は、「6741」というアカウント名の新規ユーザーが10日午前0時過ぎにマチャド氏に1500ドル(約23万円)を賭けた直後に起きたという。

 ポリマーケットの動きを受け、一部のブックメーカー(賭け屋)でもマチャド氏のオッズが上位になったとみられている。マチャド氏は専門家やメディアの事前予想で有力候補には挙げられていなかった。

 受賞者を決めるノーベル賞委員会のフリードネス委員長はノルウェーメディアに「ノーベル賞の歴史で漏えいは一度もなく、今回もそれは考えられない」と述べたという。一方、同委員会事務局長のハルプビーケン・ノーベル研究所所長は、デジタル空間での漏えいの可能性を指摘し、調査する意向を示したという。

 ノーベル平和賞は各国の政府や国会議員、大学教授、過去の受賞者、国際機関の職員などによって推薦された候補者の中から、ノーベル賞委員会(5人)が選出する。受賞者の予想は毎年、ブックメーカーなどで賭けの対象になっている。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

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